おしながき

ひのなの漬け物


ひのな(日野菜)学名:Brassica campestris var. akana

 近江なるひものの里のさくら漬
 これぞ小春のしるしなるらん  後柏原天皇


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名前の由来については過去Blogを見てね。
ひのな漬け 👀(さくら漬けとさくら漬け大根の違いもね)



《紫のグラデーションが美しい「ひのな」》


初めてこの野菜を知ったのは飛行機の機内誌、たしかANAの機内誌「翼の王国」だったと思う。

春夏秋冬のほのぼのとした絵に洒脱な言葉を添えた榊莫山氏の詩画が連載されていた。




人皆直行我独横歩の蟹、菜の花畑、桜にけむる里山、夏山…

そのひとつに秋のひのながあった。


莫山歳時記』榊莫山

 カタムイタ山ノ畑デ。
 女神ハヒノナヲ紫ニ染メテヰタ。


切り抜きを長く持っていたのだが、いつの間にかどこかへ行ってしまった。今手元にあるのはそれらが収められた『莫山歳時記』である。


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機内誌で「ひのな」を知ってからも長いあいだ実物を見たことがなかった。



初めて買ったのは2000年代の終り頃だっただろうか、京野菜ブームで紀伊国屋や明治屋に京野菜が並ぶようになってからだったと思う。

いまは京都なので旬の季節には必ずスーパーの店先に「ひのな」が並んでいる。


輪切りにすると和飴や手毬麩のようで可愛らしい。


半分を浅漬けに、半分をぬか漬けに☆彡


(浅漬け)

(ぬか漬け)

日本の食卓に うましかて!


女神ハヒノナヲ紫ニ染メテヰタ。



キムチ漬け


キムチ 《(朝鮮語)。漬物の意》
朝鮮料理で、塩漬けした大根・白菜・キュウリなどを唐辛子・ニンニク・塩辛などをまぜた薬味で漬け込んだもの。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「キムチ

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日頃食べる漬け物は、糠漬けと浅漬けがほとんどだから自家製ですませている。たまに買うのは奈良漬け、すぐき、しば漬けなど特別なものだ。

最近はキムチもキムチ漬けの素で作っている。




📚

手元に1960年(昭和35年)に中央公論社から発行された『世界の家庭料理シリーズ(全6巻)』がある。

第3巻に「朝鮮料理」の章があって、汁もの、魚料理、肉料理、野菜料理、漬けもの、豆腐料理その他、米・粉料理、お菓子、お客様料理まで70種以上の多彩なレシピが紹介されている。




料理名は現地語読みのカタカナ表記だが、漬けものだけは漢字であるのが興味深い。

・醤浸菜  ジャンキムチ(醤油漬けもの)
・紅沈菜  カクテキ  (大根の唐辛子漬け)
・筒沈菜  トンキムチ (白菜の丸漬け)
・那珀沈菜 ハナキムチ (当座用切り漬け)
・     オイソベキ (胡瓜はさみ漬け)

「浸菜」と「沈菜」という漢字が使われている。

なぜか「オイソベキ」には漢字が無い。


🌿


ちなみに「当座用切り漬け」というのは浅漬けのことで、一般的には「当座漬け」と呼ばれる。

当座というと銀行の口座種別のようだが牛すじの当座煮、鶏レバーの当座煮など、醤油・砂糖・みりんでやや濃く煮つけた料理を「当座煮」という。

「当座漬け」も「当座煮」も最近ではあまり聞かれない言葉になった。




普段使っている漬け物の素を比較してみると…

キムチ漬の素
原材料:砂糖、唐辛子、食塩、ぶどう糖、にんにく、パプリカ、デキストリン、玉葱、粉末醸造酢、アキアミエビ、ホタテエキスパウダー、昆布、生姜、調味料(アミノ酸等)、酸味料、増粘剤(キサンタンガム)

浅漬けの素
原材料:醸造酢、食塩、たん白加水分解物、還元水あめ、砂糖、しょうゆ、加糖ブドウ糖液糖、焼きあごだし、魚醤(かつお)、昆布エキス、米黒酢、調味料(アミノ酸等)、酒精、香辛料抽出物、甘味料(スクラロース)、(原材料の一部に小麦を含む)


原材料は割合の多い順に書かれているから、[砂糖+唐辛子]のキムチと[酢+食塩]の浅漬け、当たり前と言えば当たり前だがあらためて違いを認識する。

🌶️


《ビタミンAとCが豊富な唐辛子》

唐辛子にはビタミンAとビタミンCが豊富に含まれ、韓国では1日の必要消費量のかなりの部分をキムチでまかなっているといわれる。

参考:モランボン韓国食辞典「キムチ



前述の本には次のようにある。

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日本の寒い地方と同じように、それ以上に全体が寒い朝鮮では、冬の野菜摂取は、キムチといわれる漬けものと、絶やさず作るもやしに頼っているくらいです。

朝鮮の漬けものは、日本の香のものといった華奢な添えものではなく、正式な客膳にも、最初から膳にのせられる大きな料理です。漬けもので最後にお茶漬けというものではなく、いろいろな種類が、最初から出されます。

   (略)

新鮮な野菜のとれない冬の数か月の間の野菜源として、毎日家族がとる大量の漬けものは、たいせつな食品です。
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『世界の家庭料理③ 中国料理Ⅱ』(昭和35)中央公論社


日本の漬け物より盛付が大ぶりであるのはそういう由来もあるのだなぁ 🤓




密閉はしっかりと☆彡


日本の食卓に うましかて!


ほぼタラバガニのサンドイッチ


《カネテツの「ほぼタラバガニ」》

タラバガニの太い脚肉部分を模したカネテツデリカフーズの「ほぼシリーズ」のひとつ 🦀

ほろほろとほぐれる繊維の感じ、なかなかよく出来ている。



このシリーズにはズワイガニを再現した「ほぼカニ」もあって、タラバもズワイもそれぞれの特徴をよく表現していて感心する。

他に「ほぼホタテ」「ほぼカキフライ」というのもある。よかったら過去Blogを見てね。👀
 → ほぼホタテ
 → ほぼカキフライ


ちなみに「ほぼうなぎ」はまだ食べたことがないので、見かけたらぜひ食べてみたい。



《タラバガニのほろほろ感》

フェイクというと聞こえが良くないが、昔から精進料理には疑似料理「もどき」料理がある。

身近なものでいえば「がんもどき」は雁(がん)の肉に似せた豆腐料理であり、湯葉と海苔で作るうなぎの蒲焼、百合根と昆布で作る鯨皮に模したものなど様々な料理がある。

最近では「インポッシブルバーガー(Impossible Burger)」の開発が盛んであることを思えば、フェイク食品は悪いイメージばかりではない。


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ずいぶんと昔のことだが中華料理店で手伝いをしていたときのこと。

茹で玉子の黄身に食紅を混ぜて細かくほぐしたものを焼売にトッピングしていた。

点心の職人さんは香港から来ている人だった。

赤い彩りがアクセントになってきれいだなぁ・・と思っていたら、しばらく経って聞いてみたら蟹の卵を模していると知って驚いた。

蟹の卵の偽物といわれると気になるが、本物と偽っているのでなければ、焼売のうえに何もないよりはグリーンピースの緑や疑似蟹卵の赤があったほうがずっと美味しそうに見えると思った。


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さて今日はほぼタラバのサンドイッチ☆彡


ヨーグルト、マヨネーズ、レモン汁、塩、コショウを合わせて、


マフィンをフライパンで焼いて



レタスと茹で卵をはさんで出来上がり☆彡


日本の食卓に うましかて!


小豆ぜんざい


つぶ餡ベースの温かい汁に焼き餅を入れたもの。

子どもの頃は当たり前のようにこれが「ぜんざい」だと思っていたが、関東ではこれを「汁粉」という。

より厳密には「田舎汁粉」という。




関西でいう「汁粉」は《こしあん》で《粒あん》なら「ぜんざい」なのだが、関東で「ぜんざい」というと「粟ぜんざい」に代表されるように汁気がないものを指している。

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阿川弘之氏曰く
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関東では田舎汁粉といって軽んじる風があるが、上品な御前汁粉より、丹波の小豆を使った関西の所謂おぜんさいの方が私は好きだ。こんがり焼いた餅が一つ入っていれば申し分無い。
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食味風々録』阿川弘之

「御前汁粉(ごぜんじるこ)」は《こしあん》だ。





ぜんざい【善哉】
1 [名]善哉餅のこと。関西ではつぶしあんの汁粉。関東では餅に濃いあんをかけたもの。
2 [形動ナリ]よいと感じるさま。喜び祝うさま。
3 [感]実によい、そのとおりである、の意で、相手をほめたたえる語。特に、師が弟子に賛成・賞賛などの意を表すときに用いる。よきかな。

《3が原義。梵sādhuの訳で、漢訳仏典に用いられる語》

出典:デジタル大辞泉(小学館)「ぜんざい

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よきかな(善哉)といえば『千と千尋の神隠し』が思い出される。

巨大なヘドロの塊のようなクサレ神(おくされ様)が油屋にやってくる。千尋の賢明なる努力で刺さったトゲのようなものを抜いたらゴミがあふれ出し、湯のなかからきれいになった河の神が現れる。

立ち上る湯気のなかで一言「よきかな

オクサレ神ではなく人間によって川を汚されてしまった河の神様であった。


出典:STUDIO GHIBLI「スタジオジブリ作品一覧


ぜんざいの由来については諸説あって、善哉(よきかな)説は『百物叢談』(明治36)に、出雲国の「神在餅(じんざいもち)」説は『吾園随筆[ヨウ]編 巻4』(大正11)に記述がみられるので、興味があったら見てみてね。👀


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ひと晩水につけた小豆をたっぷりの水で茹でて、


再度、水から圧力鍋で煮る。
(個人的には圧力鍋のほうが上手にできる感じ)


15分間加圧したら火をとめて自然に冷まし、あとは砂糖と塩を加えて10分ほど煮たら出来上がり。

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こんがり焼けた餅と小豆の香りが心地いい☆彡


日本の食卓に うましかて!


過去Blogはこちら
 あずき粥
 → 『土佐日記』『枕草子』に描かれる小正月と小豆粥 👀


鶏ささみとオリーブケイパーソース


オリーブ 学名:Olea europaea
モクセイ科の常緑高木 原産地は地中海地方

日本での歴史については過去Blogを見てね👀
 → オリーブの新漬けと雑炊

     ◇

種なしオリーブ、開いた穴の形はみな同じ。


手で種を取っているいるわけではないだろうから、どういう機械仕掛けになっているんだろう?と気になったので調べてみた。


ひとつずつ種を取り除くにはチェリーピッター(オリーブピッター)という道具を使う。



サクランボの種とオリーブの種をとる道具が共通とは知らなかった。



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これを機械的に行うとこうなる。



《スタッフドオリーブの製造》

ピッティングマシーンが次々と種を取り除く、その数1分間に900個。手作業と比較するべくもない。

が、動画を見ていると意外や意外、スタッフィング(詰め物)作業は手仕事なんだ!


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個人的にはこちらのイタリア人女性の作り方が楽しくて美味しそう 🤓



たたき胡瓜と同じ理屈で、不規則な亀裂があったほうが味がしみそうである。


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種なしオリーブが冷蔵庫で眠ったままで、そろそろ大量消費しなくては・・と



鶏ささみソテーのオリーブ・ソースにしよう☆彡



種なしオリーブを刻んで



鶏ささみを両面焼いたら、水とスープの素を加えて



刻んだオリーブを加えて



白ワイン、ケイパーを加えて煮込んで



最後にソースを煮詰めて出来上がり☆彡


日本の食卓に うましかて!