
青味大根(あおみだいこん) 別名:青味蘿蔔、壬生大根
江戸時代、文化・文政年間(1804~1830)の初め、現在ではすでに絶滅した「郡大根(こおりだいこん)」の変異種として作出された。原産地は京都・葛野郡朱雀村(現在の中京区西ノ京)。
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郡大根(ねじ曲がった形が特徴)の性質を受け継いだ青味大根は1~2カ所で屈曲する。

明治以来、御大典そのほか天皇行事に際して郡大根とともにたびたび献上され、お祝い行事に用いられてきたそうだ。

《尾部が屈曲する「青味大根」》
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青味大根の元になった「郡大根」が気になって調べてみたら、ねじれ曲がり具合が想像以上で驚いた。
曲がっているどころかこんがらがっている!
横断面の形が菊のご紋章に似ていることから吸い物のうかしなどに珍重されていたのだという。

《「郡大根」のアルコール漬け標本》
原産地は京都・西京極郡町(こおりまち)
慶長年間(1596~1615年)から明治まで郡町で栽培され毎年御所に献上されてきたが、明治時代に入ってしだいに忘れられる。
昭和17年頃までは郡町で種子保存のため細々と栽培されていたが絶滅した。
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今日は青味大根をぬか漬けに☆彡

ぬか漬けについて先日面白い話を見つけた。
昭和の名わき役女優だった沢村貞子さんは、毎朝ぬか床にビオフェルミンを入れている。
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「ぬか味噌の中では酵母菌と酸菌の戦争である。酵母菌をたすけてやれば、いやなにおいは消える筈」
三十数年前、大学生の投書を新聞で読んで以来、わが家では朝かきまわす度にビオフェルミンの錠剤を、夏は十粒、春秋五粒ほどまぜている。
そのせいか、いつもおいしい。
漬け込んだ野菜の水分でぬか床がゆくるなりすぎたときは、乾いた布巾をピッタリ貼りつけて水分を吸い取ることることも大切。
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糠(ぬか)を使ってスクラッチでぬか床を作ろうと思うと気が遠くなるが、今は発酵ぬか床やかき混ぜ不要、冷蔵庫保存OKなど、手軽なぬか床の素が売られているので便利。
冷蔵庫に保存できるから《酵母菌と酸菌の戦争》を意識せず簡単にそこそこ美味しいぬか漬けができる☆彡

日本の食卓に うましかて!