新しい元号が「令和」に決まった。
元号の必要性について議論もあるが、やはり元号はあったほうがいい。
時系列に数字が並ぶ西暦表示は事務的には便利だが、ひとの暮らしは合理的なことだけで成り立っているわけでもない。
元号は時代に空気の色、雰囲気を与えてくれる。
おじいさん・おばあさん、そのまたお爺さん・お婆さんが生きた時代を昭和・大正・明治・慶応・元治・文久・・・ と辿るとき、歴史のなかの人々の暮らしが生き生きと感じられるから不思議だ。
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今回の元号は初めて日本の古典から選定された。
出典は『万葉集』巻五のなかの「梅花謌卅二首并序」の一文である。 ( ..)φ
『萬葉集.巻5-6』(慶長年間)
『萬葉集 20巻. [5]』(慶長元和年間)
「于時、初春令月、氣淑風和、梅披鏡前之粉、蘭薫珮後之香」
時に、初春の令月にして、気淑く風和ぎ、梅は鏡前の粉を披き、蘭は珮後の香を薫す。
ときに、しょしゅんのれいげつにして、きよくかぜやはらぎ、うめはきゃうぜんのこをひらき、らんははいごのかうをかをらす。
以下、Wikipediaからの現代語訳
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時は初春の令月、空気は美しく、風は和やかで、梅は鏡の前の美人が白粉で装うように花咲き、蘭は身を飾る衣に纏う香のように薫らせる。
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新たな御代がこの序のように清らかで穏やかな時代となることを願いつつ、去り行く平成を大切に過ごしていきたい。
平成三十一年四月一日
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