
やきそば【焼き蕎麦】
蒸した中華そばに肉・野菜などを加えて油でいためたもの。また、揚げた中華そばに肉・野菜入りのあんをかけたもの。
出典:デジタル大辞泉(小学館)「焼き蕎麦」
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子どもの頃、母が作る中華焼きそばは油で揚げた中華麺に五目あんがかかっていた。バリバリした食感が好きで、食べていくうちにしっとりしていくのも良かった。
大学生になって中華料理店で焼きそばを頼んだら麺は揚げていなかった。
蒸した中華麺の両面を焼きつけたもので、表面はカリッとしているがなかはしっとり、これはこれで美味しかったがちょっとがっかりしたのを覚えている。

一方で、大学の近くには長崎ちゃんぽんのお店があって、もちろん皿うどんも置いていたから、バリバリ麺が食べたくなったときはそのお店に出かけた。
ふと思い出してネットで探してみたら10年前に閉店していた。
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大正15年に出版された中華料理の本を開いてみる。📖

揚州炒麺(五目焼きそば)など5つの炒麺(チャーメン)が紹介されていて、その共通となる「炒麺」の作り方は…
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こしらへ方
先づフライパンにラード八分目位を煮溶し、十分油の煮立ちたる時、支那麺をよく解して油に入れ、狐色位に焦げたらば揚げて、深き皿(スープ皿)の如き物に盛り置く。
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出典:『手軽に出来る珍味支那料理法』大正15
フライパンに八分目のラードというとかなりたっぷりの油量で、麺をひっくり返す手順もないから、文章だけみると焼いた麺ではなく揚げた麺のように思われる。
あんかけの具材は、筍、ねぎ、豚肉。最後に茹で卵を二つに切ったもの、蟹肉、グリーンピースを飾る。
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別に鍋にスープを入れ其の中にて筍の薄切りしたるもの、日本葱斜切りしたるもの、焼豚肉の薄く大きく切りたるものを、適当なる塩味にて煮込みよく煮へたる頃、片栗粉茶匙十杯位を水溶きしたるものを加へて、ドロドロとし、焼麺(やきそば)の上から余り汁の多からざる様にかけます。
斯(か)くして、茹卵二ツ切にしたるもの、蟹肉等を適宜に按配し、青豆(グリーンピース)を振りかけ、少量の食酢をかけ、箸をつけて供します。
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今だと「とろみをつけて」と表現するところを「ドロドロとし」という。昔の人の感覚が伝わってきて面白い。

今日は久しぶりに蒸し麺を焼いた焼きそば☆彡
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大さじ3杯ほどのサラダ油で片面を焼いて

ひっくり返したらサラダ油を追加して、両面をパリッと焼きつける。

あんかけの具材は、はりいかと小えび

キャベツ、もやし

玉ねぎ、ピーマン、にんじん、白ねぎ

ニラ、ひら天

風味づけの紹興酒。

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にんにく、海老、いかを炒めて

いったん取り出して

野菜を炒めたら


海老といかを戻し入れて

スープを加えて(スープは昨夜の豚しゃぶの茹で汁)


水溶き片栗粉でとろみをつけて

かるくほぐした麺に

たっぷりあんをかけたら出来上がり☆彡

日本の食卓に うましかて!