
ハツカダイコン(廿日大根、二十日大根) 学名:Raphanus sativus var. sativus
アブラナ科ダイコン属の植物
原産地はヨーロッパ
日本には明治時代に導入され、種まきから20日ほどで収穫できることから「二十日大根」の名がつけられた。

英語の「radish」はラテン語で「根」を意味する「radix(ラディクス)」が語源とされている。
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今日はラディッシュをぬか漬けにする☆彡
わが家で使っているのは冷蔵庫でも漬けられる糠床の素、冬のあいだもぬか漬けを楽しめる。
今の家に越してきたときに糠床を新しくしたからなんやかんやいって早いもので3年目になる。

昔は嫁ぎ行く娘に糠床を持たせることがあったそうだ。
今から100年近く前の1924年(大正13年)、料理家・辰巳浜子さんが嫁入りするときも糠床を持たされた。
嫁ぐ浜子さんに対して母が伝えたこと・・
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これはお祖母様が手がけられ、五十年もたっている床だから、手入れをおこたらないように…。糠味噌の手入れの悪い嫁は、家のかまどをおこすことはできないといわれていますよ。
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『娘につたえる私の味』辰巳浜子

その後、辰巳浜子さんは長男夫婦が家をもったときにその故事来歴とともに糠床を分けている。
わが家の3年目の糠床なんて笑われそう。

もうひとつ、辰巳浜子さんの本で驚いたことがある。
浜子さん曰く、
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製米機の電化によって、近頃の米は無砂で搗きます。昔は手搗きでしたから、砂を入れなければならないので、糠味噌に用いる糠はふるいにかけて砂をはらったものでした。
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子どもの頃、近所に精米所があった。
その精米所には機械式の大きな精米機があって、天井の梁にかけられたベルトが音を立てて回りながら滑り台のようなところに米ぬかを吐き出していた光景を憶えている。
さすがに時代が違うのだろう、糠床を手入れする母が米ぬかをふるいにかけていたような記憶はまったくない。
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調べてみると、大正時代に「混砂搗精米の禁止」という国会議論があった。
砂や火山灰・石灰岩などの搗粉(つきこ)を混ぜて効率良く精米することが精米の品質低下を招いているため、これを禁止すべきという話である。
参考:神戸大学経済経営研究所 新聞記事文庫
報知新聞 1919.6.12(大正8)「精米法の改善 混砂搗禁止急要」

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ラディッシュを糠床に漬けたら隣の大根に色が移り、期せずして可愛らしい色に染まった。

ラディッシュも色が抜けて柔らかなパステルカラー☆彡

日本の食卓に うましかて!