わさび鰹節ご飯


ワサビ(山葵) 学名:Wasabia japonica Matsum.
アブラナ科ワサビ属の多年草 (原産地は日本)

このワサビ… あまり元気ではないものの、それでもチューブのワサビよりは断然いい。

ちょっとしたスーパーならいつでも手に入るようになったのは流通のおかげだ。


最近は海外でもワサビが栽培されている。

例えば…
・英国 WASABI COMPANY
・アイスランド Nordic Wasabi
・アメリカ OREGON COAST WASABI
・豪州 The Tasmanian Food / Shima Wasabi

本格的な鮨となれば生のわさびが求められるわけで、海外で栽培されるのは必然だ。🍣

そういえばどこかの外国の記事で、クレソン農家がわさび栽培をしているというのがあった。栽培環境が近いのだという。




1867年(慶応3年)福沢諭吉は二度目の訪米をした。2月27日~7月28日までの5カ月間、ニューヨーク、フィラデルフィア、ワシントンD.Cを訪れる。

福沢諭吉の日記には日本に着いたら食べたいものが記されていて、そのなかに「わさび花鰹節」なるものがある。


阿川弘之氏が原文を書き写してくれているので引用してみよう。

 一、うしほ すゝき又はくろだい
 一、あらい 同断
 一、に肴  鯛
 一、酢の物 海老防風
 一、茶碗 うなぎの玉子むし
 一、わさび花鰹節
 一、したし物 ほふれんそふ
 一、ゑだまめ
 一、新つけるい色ヽ
 一、鰻
 一、飯

食味風々録』阿川弘之


潮汁、洗い、煮魚、酢の物、うなぎの茶碗蒸し、わさび花鰹、ほうれん草のおひたし、枝豆、新漬け、鰻、ご飯。




帰国したのは7月28日。

帰路のコロラド号のなかで書いたとすれば6月下旬から7月にかけて、まさに夏真っ盛り!🌞

潮汁と洗いに選んだのは鱸(すずき)と黒鯛(ちぬ)、ともに夏が旬。鯛は旬を過ぎているからあえて煮魚としたのかもしれない。

浜防風と海老の酢のもの、枝豆、新漬けも、まさに夏そのもの。

そして、わさび花鰹節に飯、である。


32才の福沢諭吉、なかなかの美食センスだ。




     ◇

『孤独のグルメ』にもわさび鰹節ご飯が登場する。

伊豆・河津町にある「かどや」の生ワサビ付わさび丼、炊き立てのご飯にかつお節とおろした生わさびをのせて食べる。

これぞまさに福沢諭吉が日記に書いた「わさび花鰹節」+「飯」=「わさび丼」🍚


ちなみに、武者小路実篤氏(1885-1976)も子供時代にわさび鰹節ご飯をよく食べたらしい。
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おかずは、おかかに醤油をかけてわさびを添えたものと、ししとう焼きが子どものころからの定番であった。これは実篤が公家の出であるためでもある。明治時代の公家の食卓はつつましいものであった。
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文人暴食』嵐山光三郎



話が長くなるついでに小島政二郎氏(1894-1994)のレシピを紹介しよう。鰹節をご飯に混ぜ込むスタイルである。

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小島政二郎家の「ワサビ飯」は、

 (略)

「炊きたての御飯に、きれいにかいたオカカを混ぜて ただし、あんまり丁寧にまぜていると、女と同じことで、御飯の奴(やつ)、いい気になってまずくなる。ぬるくなってはおしまいだ。かまわないから、手荒にさっさとまぜることだ。

オカカに掛ける醤油も、ドップリ掛けるべからず。オカカの色が、まだ羞(はず)かしげに残っているくらいで留めておくこと。

ワサビもそう。一度にドッサリまぶすと、バカになって利かないから、少しずつ、一ト口食べたら、またチョイと、といった風に足して行くことを忘るべからず。何でもいいから、体裁も風体もかまわず、手早に願います」

 (略)

福沢諭吉の「わさび花鰹節」も、食べる時は米飯にまぶしておよそこんな拵えだったろう。
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食味風々録』阿川弘之


ちなみに、阿川家の鰹節ご飯は海苔入り二段重ねである。




今日は小島家風にご飯に鰹節を混ぜて☆彡


日本の食卓に うましかて!


過去Blogはこちら
 → おかかのおにぎり🍙
  かつお節と切手と商品券

 → わさび漬けとかまぼこ
  わさびの辛味はアリルイソチオシアネート

 → 花山葵のおひたし
  可憐な小さな白い花が咲く

 → 葉わさびの醤油漬け
  学名:Wasabia japonica Matsum.
  植物学者・松村任三氏の名前に由来する



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