
ツルムラサキ(蔓紫) 学名:Basella alba
ツルムラサキ科ツルムラサキ属のつる性一年生草本
スーパーで売られている状態では分からないがつる性植物である。
原産地は東南アジア。
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江戸後期の植物図鑑『本草図譜』(96巻)には「落葵(らくき)・つるむらさき」という項目で掲載されている。

出典:国立国会図書館デジタルコレクション「本草図譜. 46」
書物によって様々な呼称が用いられていることが記されている。
つるむらさき 『大和本草』
染緑子 『本經逢原』
架菜子 『物理小識』
𣴎露 『百花録』
浮藤菜 『閩書南昌府志』
蟳菜 『閩書南昌府志』
からあふひ 『大和本草』
つる性で小さな黒紫色の実をつけることに着目した名前が多い。
和名「つるむらさき」がまさにその名の通り。
染緑子は色を染める草、架菜子はつる性、浮藤菜もつる性を意識した名前だろうか。
「𣴎露」の「𣴎」は水の流れが長いという意味であるようなので、「𣴎露」でつる性の小さな実をつける、というニュアンスだろうか。
「蟳菜」の「蟳」はワタリガニを意味する漢字らしいのだが、はてどういうイメージからこの字があてられたのだろう。
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江戸中期に描かれた『庶物類纂図翼』にはツルムラサキの美しい絵が収められている。(旗本戸田祐之が幕府に献上した薬草図集)

出典:国立公文書館デジタルアーカイブ「庶物類纂図翼 草部二十一」
漢文表記の書物であるため「都類牟良佐幾」という字があてられている。
実の感じがヨウシュヤマゴボウ(洋種山牛蒡)とよく似ている。

(ヨウシュヤマゴボウの実)

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今日はつるむらさきをおひたしに☆彡

さっと茹でて

かつお節をかけて出来上がり☆彡

日本の食卓に うましかて!