仔牛ステーキのロッシーニ風 (前編)


《Tournedos Rossini》
牛フィレ肉のロッシーニ風

19世紀に活躍したイタリア人作曲家ジョアキーノ・アントーニオ・ロッシーニにちなんだステーキ料理である。

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18才でオペラ作曲家としてデビューしたロッシーニは若くして成功を収めた。彼の代表的なオペラ作品『セビリアの理髪師』は24才のときの作品である。


画像:Wikimedia commons
Composer Rossini G 1865 by Carjat


また、若い頃から大変な美食家でもあったロッシーニはわずか44歳で音楽界を引退、その後は料理の創作や高級レストランの経営など美食を究める生活を送った。

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そんなロッシーニにちなんだフランスのステーキ料理 "Tournedos Rossini" 、英語版Wikipediaによれば考案者として3人のシェフの名前があげられている。

 ・マリー=アントワーヌ・カレーム氏
  Marie-Antoine Carême

 ・アドルフ・デュグレレ氏
  Adolphe Dugléré

 ・オーギュスト・エスコフィエ氏
  Auguste Escoffier


クルトンの上にバターで焼いた牛ヒレ肉をのせ、その上に軽くソテーしたフォアグラをのせて、黒トリュフのスライスとマデラ酒のデミグラスソースで仕上げる。

🥩


《料理にはその出自たるゆえんがある》

和洋を問わず伝統的な料理には、これだけ譲れない料理の根っこのようなもの、出自たるゆえんのようなものがあると思っている。

随分と昔のことになるが、辰巳芳子さんの料理の本を読んでショックを受けたことがきっかけでそう考えるようになった。


-茄子のシシリア風- 🌿
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きりっと焦げ目をつけた茄子の風味。ワインビネガーの香りと酸味。薄荷(ミント)の爽やか。この渾然にアフリカに近い、シシリアの風土を感じます。

イタリア料理の源流をさぐると、シシリアに至ると言います。そのシシリアはギリシアから技術が入り、アフリカ、アラブの影響も受けているそうです。ですから薄荷(ミント)の代わりに「パセリで間に合わせてもいいんじゃない?」は、出生不明のものになります。くれぐれも、使うべきものは使ってください。
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「パセリで間に合わせてもいいんじゃない」では困ります。使うべきものは使ってください。


この言葉にハッとした。まるで心を見透かされたようだった。




〇〇がなければ〇〇で代用してください。〇〇でも美味しくいただけます。そんな優しいフレーズが溢れるなか、なんと気骨のある言い様だろうと思った。

昔のお姑さんはこんな感じだっただろうか・・と想像したりもした。


それ以来、料理を食べるとき、料理を作るとき、この料理の根っこ(アイデンティティ)は何だろうと考えさせられるようになった。

🥩

後編




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