からすみとご飯(前編)


からすみ【鱲子】
ボラの卵巣を塩漬けにし、塩抜きして圧搾・乾燥した食品。形が唐墨 (からすみ) に似る。サワラ・タラからも作る。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「からすみ

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中国から伝来した「唐墨」に形が似ていることから「からすみ」という名前がついた。

日本では長崎のものが有名である。




台湾では「烏魚子(オヒイチー)」といい、戦前の食通のあいだでは一流のからすみといえば台湾産のものであった。

白洲正子氏の長女・桂子さんは次のように回想している。

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正子の祖父(樺山資紀)が初代台湾総督だった頃、台湾製の本当においしいからすみを時々食べたものだと母は言っていました。私たちがどんなにおいしいと思ったからすみでも、あの頃の方がおいしかったと、決して認めませんでした。
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台湾では北風に追われたボラの大群が12月から翌年1月~2月にかけて台湾海峡を南下する。

美食家で知られた台湾出身の実業家・邱永漢氏の話によれば、彼の父もまた大変な食通で、冬に1年分のからすみを買ってきて、一はらずつ丁寧にパラフィン紙に包み、それを空き缶に入れて魚市場の冷蔵庫に預けていたそうだ。

一般家庭には冷蔵庫のない時代、魚市場の冷蔵庫から一缶ずつ取り出して食べる邱氏の父。

中秋の名月を眺めながら一杯やるのにからすみがなかった年はなかったという。



《今日はバーニャカウダポットを使ってみる》

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その焼き方についてもうるさいことを言い、たいていは自分で焼いた。

炭火をカンカンにおこした上で、パリパリと音がたつほど焼くのであるが、まずその前に、カラスミの薄皮をとることと、熱度の高い火であぶることがコツで、表面はきれいに焼けて香ばしくなりながら、中は熱くなった程度でなければならない。

それを一分(いちぶ)ぐらいの厚さに切って生にんにくの白いところを薄く刻んだものとつけ合わせて食べるのである。

これがカラスミのいちばんうまい食い方であるが、日本では大料亭でも生のまま出すところが多いらしい。私たちに言わせると、高価なものをほんとうにもったいないと思う。
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食は広州に在り』邸永漢



《一分(いちぶ)は3ミリの厚さ》

「表面はきれいに焼けて香ばしくなりながら、中は熱くなった程度」 これはその通りだ。

ただ残念ながらわが家では、邱氏の父がやったようにひと腹丸ごとを焼いてからスライスする、とはいかない。

冷凍保存したのを少しずつ食べるから、スライスしてから炙ることになるのだが... 🍚

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炊きたてご飯に焼いたからすみをのせて☆彡


日本の食卓に うましかて!
後編


過去Blog
 → 鰆の真子とえんどう豆の炊いたん
   香川産の鰆(さわら)のからすみ



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