うさぎ肉のトマト込み


ウサギ(兎、兔)学名:Leporinae
ウサギ目ウサギ科(狭義にはウサギ亜科)の総称

西欧ではよく食べられる食材だ(スペインやフランスの肉屋では皮を剥いだ状態のウサギが丸ごとぶら下がっている光景を目にする)が、日本ではウサギと聞いてそれを「食べる」と想像する人は少ないだろうと思う。

🐇



日本ではペットとして飼っているひとも意外と多くて、もうずいぶんと前のことだが、東京の地下鉄でウサギに紐をつけて(犬の散歩のように)電車に乗ってきた人がいた。

男性は座席に座ると紐を軽く引っ張ってウサギに合図をする。するとウサギは自分でピョンっと座席に飛び乗って男性の横に丸まった。

なんか夢でも見ているような、目をぱちぱちする光景だった。

🎑


ウサギと聞いて思い浮かべるのは・・・

月で餅つきをするうさぎ、哀しい月兎の話 🌝

  うさぎ うさぎ 何見て跳ねる
  十五夜お月様 見て跳ねる ♩


鳥獣戯画に描かれる兎たち。


Wikimedia commons:Chouju 1st scroll-05


古事記のなかで大国主命に助けられる因幡の白兎。


福の神:新編お伽噺』奥原福市(明42)


そして唱歌「故郷(ふるさと)」

  兎追いし彼の山 小鮒釣りし彼の川
  夢は今もめぐりて 忘れがたき故郷

  いかにいます父母 恙無しや友がき
  雨に風につけても 思ひ出づる故郷

  志を果たして いつの日にか歸らん
  山は青き故郷 水は清き故郷


🐇


戦前は子どもたちの冬の行事として兎狩りが行われていたようで、狩りのことやしとめた兎をみんなで食べたことがいろいろな本に書かれている。

下の写真は「関東旅行クラブ」という月に1回旅行に出かける集まりで、1月に開催された「兎狩り」での記念撮影のひとコマ。




新宿駅に集まった60人(大勢の子供たちを含む)が小田急で登戸に出かけ、現在の生田緑地で兎狩りをしている。

読みやすい文体であるし、東京近郊のひとには馴染みの地名がたくさん出てくるから読んでみてね。


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1914年(大正3年)生まれの劇作家・木下順二氏も兎狩りの思い出を書いている。

学校行事で兎狩りに出かけるが獲った兎は少なくて、皆で食べた「兎飯」は馬肉でかさ増しされていたという話。


兎狩りの翌日のこと
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そしていよいよ食うことになるわけだが、翌日はみんなからの弁当箱を持って登校して、ひる休みに全員が校庭に集合する。それを「矢開き」といった。



校長先生の演説が終ると、昨日の成果を祝って万歳を三唱して、十数個の大きなおはちへ殺到して、その中の兎飯を弁当箱にてんこ盛りして、地面に座って食う。学校の隣の騎兵第六連隊にたのんで炊いてもらった兎飯なのである。



しかしここまで来て初めて問題になるのは、では本当に兎を食ったのかどうかということなのだ。

きのう、全校数百名が暗いうちから午後まで追いまわして得た盛大な成果というのは、いい年で十匹をやっと超え、ひどい年は三匹などということもあった。

だから数十の大きなおはちに一杯はいっていたあの兎飯の肉は、ほとんど馬肉だったのである。

そのことを、当時も私たちはむろん知っていた。しかし兎飯を食ったという満足感は、それで少しも妨げられることがなかった。
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「あまカラ」抄・3』 -兎の肉の味について- 高田宏編



兎と馬では味もさることながらそもそも見た目の色が違う。🐎🐇




ちなみに肉色の違いは、筋肉に含まれる「ミオグロビン(myoglobin)」の含有量の違いによる。

ミオグロビンは筋肉中に酸素分子を貯蔵する色素タンパク質。赤色素「ヘム(haem)」を持っているから、ミオグロビンを多く含んだ肉のほうが赤い。


血液中に酸素を蓄えるのが「ヘモグロビン(hemoglobin)」、筋肉中に蓄えるのがミオグロビンと考えるとわかりやすいかもしれない。

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今日はうさぎのトマト煮込み☆彡



ラ・チナータのパプリカパウダーを加えてスモーキーな辛味を添えて☆彡


日本の食卓に うましかて!



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