からすみとご飯(後編)

前編



からすみを初めて食べたのは大学生のときで、炙ったからすみを大根に挟んだものだったように思う。

その時は食べた感想よりも、この高価な食べ物がボラの卵巣から作られると聞いたことのほうが印象に残っている。

瀬戸内海のそばで育った私にはボラというと下魚のイメージしかなかったから不思議な感じがした。




また、大学時代のあるときに、トルコ土産のからすみを食べたことがある。

からすみが黄色いものでコーティングされていて、これを食べるのか食べないのか分からず、最初のひと口目はそのままかじった (・_・;)

今ならネットで調べれば蜜蝋とすぐ分かるが(保存のためのコーティングでこれを取り除いて食べる)、当時はネットはおろかパソコンすらなく、携帯電話もない。まるで別世界であるなぁ...

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酒肴のイメージが強いからすみだが、日本酒に合うものはご飯にも合う。

かるく焼いたからすみをほんのちょっとつまみながら炊きたてのご飯を食べるのはじつに美味しい。


吉田健一氏が次のようなことを言っている。

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食べものの中でそれと一緒に酒が飲めるものと飲めないものがある (略) どうも酒の肴になる食べものの方がならないものよりも食べものとしても上等のようである。

これは一般に酒の肴であることになっているものを酒抜きで熱いご飯と一緒に食べるとすぐに解ることで、例えば烏賊の黒づくり、筋子や蟹などの塩辛、各種の漬けもの、それからこのわたに至るまで、御飯さえよく炊けていて熱ければ、それに添えてこんなにうまいものがあるだろうかと思う。
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酒肴酒』吉田健一

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辻嘉一氏の『御飯と味噌汁』に「嘉良寿美茶漬」というレシピが紹介されている。1969年(昭和44年)の出版である。

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からすみは薄く薄く切ります。

高価だから薄く切るという倹約精神ではなく、薄くしないと歯にっくっついておいしくありません。

からっと、かき餅の歯触りになるよう火取ります。

ご飯の上にからすみを五、六枚ならべ針生姜をふりかけ、炒りたての黒胡麻をぱらぱらとふって、熱つあつのお茶をかけます。間違っても当世流行の出し茶漬にはなさいませんように。折角の粋を野暮で色あげすることになります。

茶漬の味はもともと小唄の味に近いと思われますが、特に茶漬の中の小唄の味として嘉良寿美茶漬を味わってみてください。
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「薄くしないと歯にっくっついておいしくありません」 わかるw



🍚

今日は茶粥にからすみを添えて☆彡


日本の食卓に うましかて!




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