湯葉と鶏そぼろの茶碗蒸し



年末に初雪が降ってからずっと寒い日が続いていて、この冷え込みはまだしばらく続くらしい。

そんな真冬日にはアツアツの茶碗蒸しがいい。⛄


     ◇


今日の具材は「湯葉(ゆば)」☆彡


ゆば【湯葉/湯波/油皮】
豆乳を煮たときに上面にできる薄黄色の皮膜をすくい取ったもの。生 (なま) 湯葉と干し湯葉があり、吸い物・煮物などに用いる。うば。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「ゆば




牛乳を温めると表面に薄い膜ができるように、豆乳にも温めると表面に薄い膜ができる。

それが「湯葉(ゆば)」だ。


これは液体に含まれるタンパク質と脂肪が表面の水分蒸発によって熱変性したもので、「ラムスデン現象」または「ピッカリング・エマルション(ピッカリング凝固)」と呼ばれる。


※発見者のWalter Ramsden氏とSpencer Pickering氏に由来する。




湯葉が豆乳の植物性たんぱく質を熱で凝固させるのに対して、豆腐はにがりなどの凝固剤で固めて作る。

ゆえに豆乳から作られる湯葉の量は豆腐よりも圧倒的に少ない。

     ◇

乾燥した板湯葉を水で戻す。



湯葉は伝統的な食材なのに、キュッキュッという食感がラバー的で未来っぽいのが面白い。


戻した板湯葉で鶏そぼろとぎんなんを包む。



茶碗蒸しの美味しさはなんといってもふるふるとした卵の柔らかさだと思う。


北大路魯山人氏は次のようにいう。
---
茶碗蒸のことは、皆さんよく御存じのことでしょう。ところが、これにもいろいろとコツがある。東京のは概して卵が多く、かたまりが強すぎて面白くない。一体に茶碗蒸の玉子のかたまったのは上等とは思えない。

 (略)

卵は薄めにして、茶碗を手に持つとユラユラと卵が体ごと揺する程度に作るのがよい。そうするとスルスルして口当たりがよく、しかも卵臭くなくてよいのである。

 (略)

卵一個を二合から二合半までの出汁で割って、薄くすると共に、それを蒸しすぎないことである。
---

魯山人の料理王国』北大路魯山人




この分量、どうだろう… ( ..)φ

卵一個を二合から二合半の出汁で割ると(卵1個=約60cc、2~2.5合=360~450cc)6~7倍に薄めることになる。

さすがにこれでは固まらない。

魯山人執筆時の勘違いか、編集上のミスか、いずれにしても何かの間違いだろうと思う。

     ◇

辻嘉一氏によると家庭では2.5倍が作り易いという。



ある料理書が卵と出汁を1:4としている事について
---
前掲の玉子豆腐の項で、玉子汁と出し汁の割合を誤って示した料理書のことを申し上げておきましたが、同じ本の「茶わんむし」では、玉子と出し汁の割合を一対四と記してあります。

これでは、どんなに半熟状態のやわらかさが玉子の旨味が発揮できるといっても、固めることが出来ず、かえって汁と玉子が分離して、おいしい茶わんむしはできません。

専門の板前さんでも一対三が限度で、ご家庭では一対三でもちょっと手に負えないことでしょう。
---





また、蒸し器については
---
蒸す道具は、古来よりの木組みの蒸し器が最高で、不思議なほど手際よく蒸し上がります。家庭用の金属の蒸し器をつかう場合は、煮えたぎる湯の面より、できるだけ上の方で蒸すようにしないと、上手に蒸し上がりません。

(略)

たまご汁の表面が一面に固まるまでは、やや強火で蒸し、その後は蓋を少しずらし、火力もぐっと落して十五分間ぐらいかかる気持で気長に蒸すと、手際よく蒸し上がります。

昔風の木組みの蒸し器だったら、そのような手数もいらず、安心して蒸すことができますが、それは蒸気が小さな穴から吹き上がり、全体にゆきわたるようになっているからであります。
---
という。昭和46年(1971年)出版の本である。




わが家には木組の蒸し器はおろか金属の大きな蒸し器もないから手軽に湯煎式☆彡

鍋に蓋をして中火にかけて、沸騰したら弱火にして5分ほどしたら出来上がり 😋


日本の食卓に うましかて!



コメント

    コメントの投稿

    (コメントの編集・削除時に必要)
    (管理者にだけ表示を許可する)